独特な形で有名!フェンシングの構え方について解説

“フェンシングってこういうスポーツだよね?”

いつも筆者がフェンシングをやっていた事を話すと、皆あの独特の構えを披露する。

もう幾人もの“構え”を見てきたので、フェンシングの構えがどれ程のインパクトをもっているか身をもって知っているつもりだ。

おそらく、「怪傑ゾロ」のイメージが強いのではないかと思う。

あの太田雄貴選手の父も、怪傑ゾロに啓発されてフェンシングを始めたのは有名な話だ。

ではあの独特な構えの、正しいやり方をご存知だろうか?

そんなの知らないよ”という声が聞こえてきそうだが、無理もない。

フェンシングは未だマイナースポーツであるため、正しい構えを教えてくれるところはまだ少ないのが現状だ。

でもせっかくならば正しい構え方を知っていただきたい。

そこで今回は、フェンシングの正しい構え方とその練習方法について、詳しく解説していく。

もしもこれからフェンシングを始める、もしくは、知り合いにフェンシングをやっている人がいれば、正しい構え方を披露して周りを驚かせてみよう。

構えの基本

フェンシング 構え

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フェンシングの構えは以下の手順で行う。

①かかとが合うように気をつけをする。
②そのまま肩幅程度に足を開く。
③自分の利き腕の方向に顔と前足を向ける。
④そのまま腰を浅く落とす。
⑤肘は90度曲げ、手首、肘、肩が同一のラインにくるようにする。
⑥後ろの腕をバランスがとりやすい位置で止める。

構えで大切な事は“バランス”と言われている。

上半身ももちろんだが、下半身もしっかりと軸をもって構えなければ体勢を崩してしまいかねない。

バランスをとるうえでは、後ろの手の存在も重要だ。

ただの飾りに見えるだろうが、相手にアタックする際、後ろの手を上から下へ振り抜く事によって、アタックのスピードを高める事ができる、いわば“アクセル”のような存在なのだ。

ではどのようにしてフェンシングの構えを定着させるか?簡単な練習方法を考えてみたので下記に紹介したいと思う。

自宅でできる!構えの練習方法について紹介

ラインには、100円ショップで売られているガームテープ(白)が便利で使いやすい。

フェンシングの構えを定着させる為には、ライン上を前後する練習が必要になってくる。下記に紹介する方法は、フェンシングを始めたばかりの人が行う練習法だ。

自宅でも気軽にできるので、ぜひ一度チャレンジしていただきたい。

まず一本の線を引く。

ラインの長さは2mくらいが理想

そこにカカトとカカトが同じラインにくるように構える。

 

前進

構えを維持したまま前進するには、下記の流れで行う必要がある。

①つま先を上げる。
②そのまま前足だけを半歩前に出す。
③つま先を着地する際に後ろ足を引きつける。この際、最初の肩幅を維持するよう気をつける。
④①〜③の繰り返し。

後退

続けて後退のやり方だ。

①前進とは逆に後ろ足を半歩後ろに出す。
②肩幅を維持できるよう、前足を引きつける。
③①〜②の繰り返し。

以上の前進、後退を1メートルのライン上で構えを維持しながら繰り返す。

この練習法で意識していただきたいのは、柔らかい動きで静かに動くということだ。

例えば、ステップワークの際、足をバタバタさせてしまうと、対戦する際に自身の動きを相手に察知されやすくなってしまう。ステップワークで重要なことは、忍足のごとく、相手に自身の動きを察知させない静かな動きをとることだ。

最初はゆっくりで構わないので、静かにラインの上を往復できるように練習していただきたい。何より、静かに動くことができれば、周り(マンションの場合、お隣さんなど)に迷惑をかけないので、自宅でも気軽にできる。

※上記の動画では、前進、後退の動きのみ参考にしていただきたい。

前進、後退のコツがつかめた方は、下記に筆者が考えたトレーニングメニューを記載するので、是非挑戦してみてほしい。

自宅でプレ・アレ(始め)!フェンシングのステップワーク練習法!

フェンシング 親子

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はじめは、構えた状態でゆっくり動く事を心がけ、上半身は力を抜く。

まずは単純な動きから。

①前進→前進→前進→後退→後退→後退
②前進→前進→前進→後退→後退→後退
以上の動きを3セット行う。
※1セット終了したら屈伸をして下半身をほぐす。
※30秒ほど休憩して、次のセットを開始する。

上記の動きに慣れるのが、フェンシングにおけるステップワークの第一段階。無理をする必要はないので、始めはゆっくりと少ない回数をこなしていただきたい。

次に少し複雑な組み合わせを行う。

①前進→前進→後退→前進→後退
②後退→後退→前進→後退→前進
以上の動きを3セット行う。
※1セット終了したら屈伸をして下半身をほぐす。
※30秒ほど休憩して、次のセットを開始する。

この練習で重要なことは、”動きながら構えを維持できるようになること”。

どこの練習場でも、まず始めに上記のステップワークの練習を行う。前後の動きができるようになれば、必然的に構えが定着するからだ。

この動きは個人差もあるが、週に3回行うだけで、一ヶ月もすればスムーズに動けるようになってくる。その段階まできたら、”突き”を加えた練習に入っていただきたい。

突きを加えた練習法

フェンシング 突き

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構えと前後の運動に慣れてきたら、次はフェンシングの醍醐味”突き”を入れた練習だ。

フェンシングでは基本、腕を一番はじめに伸ばすため、下記の流れで練習を行う。

①構える。(前腕は肘を90度に曲げ、手首、肘、肩が同一のラインにくるようにする。)
②腕を足元のラインに沿ってまっすぐに伸ばす。
③つま先を上げる。
④そのまま前足だけを半歩前に出す。
⑤つま先を着地する際に後ろ足を引きつける。この際、最初の肩幅を維持するよう気をつける。
⑥腕を元の位置(①のポジション)に戻す。
①〜⑥の繰り返し。

基本は”前進”と同じだが、腕を伸ばすタイミングだけ気をつけていただきたい。

慣れていないうちは、腕と足を同時に出してしまう方もいるが、基礎的な動きを身につける為に、まずはじめに腕を伸ばす癖をつけておこう。

そうすることで、フェンシングの3種目(フルーレ、エペ、サーブル)の基礎(3種目とも腕を先に伸ばす必要がある)を自然と身につけることができる。

まとめ

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いかがだっただろうか?

フェンシングの構えは難しそうに思われているが、実は自宅でも簡単にできる。

フェンシングの練習以外にも、下半身強化のトレーニングにもなるので、自宅で自重トレーニングに挑戦したい方にもオススメだ。

その効果の程を、朝起きた時や、時間のある時に、是非試していただきたい。


【筆者主宰】騎士のスポーツ、フェンシングを始めませんか?

フェンシングというスポーツを知っていますか?

最初にイメージするのは、中世の剣士たちが繰り広げる激しいバトルだと思いますが、そのバトルをスポーツにしたものが、このフェンシングです。

剣をつかっているので、”チャンバラごっこ”に近いとも言われ、普段やりすぎると怒られるチャンバラごっこも、ここではやった分だけ褒められます。さらに、フェンシングは別名”筋肉を使ったチェス”とも言われており、相手の裏をかく戦いをすることから、頭を使う練習にも最適です。

墨田フェンシングクラブでは小学生から大学生までを中心に、全国トップクラスの実績を持つコーチが、フェンシングの指導を行っています。

あなたも、剣をつかった特殊なスポーツで、非日常を感じてみませんか?


ABOUTこの記事をかいた人

1989年生まれ、愛知県出身。中学から大学までフェンシング選手として活動し、高校で全国7位、大学時代には全国4位に入賞(両方とも種目はエペ)。現在はWEBメディアの編集者として、記事の執筆、編集などを行っている。プライベートでは墨田フェンシングクラブの代表を務め、子供から大人まで幅広い世代を指導するコーチとして活動している。