『子供達にフェンシングの楽しさを知ってほしい』ジュニアの生徒数50人以上、杉並フェンシングクラブの取り組みに密着!

フェンシング 集合 練習

2016年8月に行われたリオデジャネイロオリンピック。

フェンシング競技では、見延和靖選手が個人6位。佐藤希望選手が個人8位(共に種目エペ)に入賞し、男女共に日本人初の快挙を成し遂げた。

メダルにこそ届きはしなかったものの、オリンピックで並み居る強豪相手に勝ち上がってみせた両選手の活躍に、多くの人が心打たれたことだろう。

その勇姿に触発されて、フェンシングを始める子供たちが増えてきている。

フェンシング業界において、彼らのような未来のフェンサーを育成していくことは、競技力向上のために必要不可欠だ。

実際に、今世界で活躍している若手選手の多くが、幼稚園から小学生などの幼少期からフェンシングを始めている。

そんな次世代を担う子供たちを、積極的に育成する練習場がある、今回ご紹介する『杉並フェンシングクラブ』だ。

同クラブは、1987年7月、フェンシングに魅了された有志により、杉並の地で結成された。

その特徴は、都内最大級とも言える練習場の広さと、50人を超えるジュニアフェンサー(小学生から中学生まで)が所属しているところにある。

実際に練習を見ていると、子供たちの元気な声が練習場に響き渡り、皆懸命に練習に打ち込んでいる。

杉並フェンシングクラブでは、ジュニアフェンサーに対して、熟練のコーチから大学生まで、これまでフェンシングに情熱をかけてきた人たちが直接指導をしている。

かといって、そこまで本格的な練習をしているわけではない。子供たちに必要なのは、まず”フェンシングを好きになってもらう事”だからだ。

そんな杉並区フェンシングクラブで先頭に立って指導をするのは、高橋 宏先生。

杉並フェンシングクラブ代表 高橋先生

この練習場の代表を務めると共に、フェンシングの名門、中央大学の監督も務めている。

今回は高橋先生に、杉並フェンシングクラブ立ち上げのきっかけから、現在取り組んでいることまで、直接お話を聞くことができた。

杉並区フェンシングクラブ、立ち上げのきっかけ

フェンシング 少年 攻める

前田
本日はお時間をいただきましてありがとうございます。まず、杉並区フェンシングクラブ、立ち上げのきっかけについて教えて下さい。

高橋先生
1987年、杉並区でフェンシングをやっていた高校生や大学生たちが、社会人になって始めたのが、そもそもの始まりです。

最初は永福町体育館というところで練習を開始し、メンバーが20人位いる時もあれば、2、3人ほどに減ってしまったこともありましたが、途切れることなくやってきました。

ちょうど今年で創立30周年になります。

前田
創立30周年とはすごいですね。

では一緒に練習しているジュニアチーム(小学1年生~中学3年生)もそのくらい前から活動していたのですか?

高橋先生
いえ、ジュニアチームが結成されたのは、太田雄貴氏が2010年に開いてくれた体験教室の後です。

当時、第1回目の東京オリンピック誘致で、太田氏と杉並区がタイアップしてこの体験教室が実現しました。これを機に、杉並区の方でフェンシングの”初めて教室”を開校することになり、それが現在のジュニアチームの母体となっているのです。

ジュニアチームの練習内容について

フェンシング 集合 練習

前田
ジュニアチームではどのような練習をしているのですか?

高橋先生
ジュニアチームは週1回の練習なので、あまり専門的なことまではできないのですが、基本な技術(フットワークなど)を練習することと、もう1つは楽しんでやってもらうようにしています。

前田
先ほど練習を見学させていただいた際、バトミントンのラケットを持たれていたと思うのですが、子供たちに楽しんでもらうための一環だったということですね。

高橋先生
そうです。

バトミントンや、なわとび、サッカー、ドッジボールなど、フェンシング以外のスポーツも必ずやらせるようにしています。

前田
なるほど、他のスポーツを交えながら、フェンシングの基礎を培っていくのですね。

この前、他の練習場で子供を指導しているフェンシングコーチが 『楽しく練習させないと子供は飽きてしまう』とお話しされていましたが、まさに子供のための練習方法ということですね。

高橋先生
その通りです。

初めてフェンシングの練習場に来た人に教えていること

前田
初めてフェンシングの練習場に来た人には、どのようなことから教えていますか?
高橋先生
まず種目についてですが、社会人の場合は、比較的覚えやすい、”エペ”から、子供たちについては”フルーレ”から始めてもらっています。

最初に教えていることは、構えとフットワーク、あと鉄の剣で先生を突くことですね。

他の練習場も同様だと思いますが、まずは基礎的なところから教えています。

前田
なるほど、あと子供を持つ親御さんは、道具代がすごく気になると思うのですが、最初はこちらでレンタルなどしていただけるのですか?
高橋先生
レンタルも可能です。

剣やマスク、メタルジャケットなどは、子供用のもので20~30人分用意してあります。

ただ、着るものをレンタルするのは抵抗があるかと思いますので、ユニフォームと手袋については、最初に2万5000円くらいで買ってもらっています。

それから慣れてくるまでの半年間は、マスクや剣、メタルジャケットを貸し出し、ジュニアチームに正式な加入をする時には、試合に出られるよう、それらの道具も新しく購入していただいています。

マスクや剣、メタルジャケットも2万5000円ほどで購入できるので、都合5万~6万円くらいで、試合に出るための道具はすべて揃います。

前田
フェンシングの道具代って、10万円以上するとイメージされがちなのですが、実はそこまで高くはないですよね。

ただ、ジュニアの場合ですと、体の成長に伴って、ユニフォームのサイズが変わってくると思うのですが、先生の目から見てどのくらいの回数、買い替えが必要だと思いますか。

高橋先生
私が見ている限り、1~2回くらいのサイズ変えでいいんじゃないかと思います。

ジュニアの場合は、今より2サイズくらい上のサイズを買う人が多いので、1回か2回くらいの買い換えで、将来大人になってやる時も着用できると思います。

他のクラブも練習に参加している?

フェンシング 子供達 ファイティング
前田
他のフェンシングクラブも練習に参加していますが、何かきっかけがあったのでしょうか?
高橋先生
ここ大宮前体育館では、月に2回、一般開放日というものを設定しており、その中にフェンシングの枠をとっているんです。

一般開放日は、第2土曜日と第3水曜日で、自分の道具さえ持っていれば、他のフェンシングクラブでも練習に参加することができます。

一般開放日に来る、高校生や大学生も多いですし、ジュニアの練習でも、希望すればファイティングに入ることもできます。

杉並フェンシングクラブでは、現在ジュニアだけで50人くらい生徒がいますから、いろんな人とファイティングすることができます。外から腕試しに来るという人も多いです。

これからフェンシングを始めたいという方に、知っておいてほしいこと

前田
これからフェンシングを始めたいという方に、知っておいてほしいことなどありますか?
高橋先生
子供たちの事例なんですが、今”チャンバラ”ってできないじゃないですか。

昔は棒切れ持って、『怪傑ゾロ』とか日本の時代劇の真似をするチャンバラごっこをしていたものですが、それができないですから、フェンシングを一度体験するとみんなハマるんですよ。

相手を思いっきり突くということは、非常に面白く感じるところがあって、大体どのお子さんも、『もっとやってみたい』と言ってくれます。

最初のとっかかりでは、抵抗感のない、プラスチックの安全な剣で、チャンバラごっこ的に遊んでもらったりして、まず楽しさを覚えてもらっています。

前田
そこから、実際のフェンシングに派生していくわけですね。
高橋先生
そうです。

あと月に4~5回の練習なんで、他の習い事をやってても一緒に両立するような『ゆるいクラブ』でありたいと思っています。

結構、勉強とか、他の稽古事をしている子も多いので、フェンシング以外のことも大切にしてほしいですね。

まとめ

今回お話を伺った高橋先生曰く、杉並フェンシングクラブは”質より量”。練習量ではなく、生徒の数こそが、この練習場の一番の宝なのだという。

色々なタイプの人間とやることによって、自分自身の経験値を高めることができるからだ。

フェンシング界において、この練習場ほど入りやすく、数多くの選手と練習できるところは、他を探しても見当たらないだろう。

フェンシングに興味がある、これから本格的にやってみたいという方は、その入り口として、ぜひ足を運ばれてみてはいかがだろうか。

 

【クラブ名】

杉並フェンシングクラブ

【住所】

東京都杉並区南荻窪2-1-1

荻窪駅南口で関東バス「宮前3丁目行き」(荻60)に乗車 「大宮前体育館」で下車。

駐車場なし(コインパーキングは近くにあり)

【料金】

・小学校~中学3年生まで

ジュニア 月4000円

初めて教室 月2000円(半年間)

・社会人の場合は1回1000円

【コーチも募集中】

杉並フェンシングクラブでは、現在大学生のコーチを募集している。コーチとして、日当4000円(4時間勤務)をもらえるので、自分の経験を次の世代に伝えたいという熱い志を持っている方は、ぜひ、応募してみてはいかがだろうか。

▼応募先

e-mail: fencer@suginami-fencing.org

Tel: 0422-22-1165(東京フェンサーズ)


【筆者主宰】騎士のスポーツ、フェンシングを始めませんか?

フェンシングというスポーツを知っていますか?

最初にイメージするのは、中世の剣士たちが繰り広げる激しいバトルだと思いますが、そのバトルをスポーツにしたものが、このフェンシングです。

剣をつかっているので、”チャンバラごっこ”に近いとも言われ、普段やりすぎると怒られるチャンバラごっこも、ここではやった分だけ褒められます。さらに、フェンシングは別名”筋肉を使ったチェス”とも言われており、相手の裏をかく戦いをすることから、頭を使う練習にも最適です。

墨田フェンシングクラブでは小学生から大学生までを中心に、全国トップクラスの実績を持つコーチが、フェンシングの指導を行っています。

あなたも、剣をつかった特殊なスポーツで、非日常を感じてみませんか?


ABOUTこの記事をかいた人

1989年生まれ、愛知県出身。中学から大学までフェンシング選手として活動し、高校で全国7位、大学時代には全国4位に入賞(両方とも種目はエペ)。現在はWEBメディアの編集者として、記事の執筆、編集などを行っている。プライベートでは墨田フェンシングクラブの代表を務め、子供から大人まで幅広い世代を指導するコーチとして活動している。