トレーニングの効果を高めるために、ウォーミングアップが非常に重要な役割を担っていること をご存知だろうか?
今回は、フェンシング日本代表チームのサポートを行っている『Y.T.G CORE』代表、辻 健一郎 氏より、トレーニングの効果をさらに高めるためのウォーミングアップメニューを教えていただい た。
▼前記事、辻 健一郎氏のインタビュー記事はコチラ!
『今やっているトレーニングの効果をもっと高めたい!』と思われている方は必見だ。
(1)四つん這いになってから行う呼吸のエクササイズ
・やり方
①肩の下に手をついて、股関節の下に膝をつく。
②足は踏ん張れるようにしておく。
③ひじのくぼみの向きを、内側に向ける。
④頭を下にしてから背中を高く持ち上げて、
しっかりと鼻から息を吸う。
⑤背中がぐっと広がったら、口から息を吐く。
⑥①〜⑤を2〜3セット繰り返し行う。
※呼吸は口からしっかりとはけていることがポイント。
(2)キャット&ドッグ
・やり方
①肩の下に手をついて、股関節の下に膝をつく。
②足は踏ん張れるようにしておく。
③頭を下にしてから背中を高く持ち上げる。
④そのまま腰をぐっと下に沿うように曲げ、あごを上げる。
⑤①〜④を2〜3セット繰り返し行う。
※呼吸はそこまで意識する必要なし。
※腰・背中・股関節を動かすようなイメージ
(3)股関節を動かすエクササイズ
・やり方
①肩の下に手をついて、股関節の下に膝をつく。
②太ももの位置は少し広めにして、足幅を狭めた上で踏ん張れるようにしておく。
③前メニューの『キャット&ドッグ』で行った、背中を持ち上げる動きと下に沿った動きの中間の位置を探す。中間の位置を探せたら、その姿勢を維持。
④そのまま股関節の付け根に力が入るよう、ぐっとお尻の方に重心を傾ける。
⑤その状態で、前後に少し動く。数回動いたら、③の姿勢に戻る。
⑥③〜⑤を2〜3セット繰り返し行う。
(4)寝転がった状態で行う、体幹のほぐし
・やり方
①まず、足を抱え込んで、左側に転がるようにして倒れる。
②足の位置をずらして、上から下をしっかり抑えて頭をついて反対の手は、斜め外側に開いていく。
③その状態で筋肉が伸びていることを確認したら、優しく呼吸する。しっかり鼻から吸って、力まずに吐く。
④③の呼吸を数回繰り返したら、斜め外側に開いていた右側の手を、前側の方にぐっと背中を丸めていって、また元の位置に戻していく。
⑤④の動きを優しく繰り返していくと、腰、背中にしっかりと動きが出てくるので、スムーズに動いてあげる。
⑥①〜⑤を2〜3セット繰り返し行い、終わったら今度は同じように逆側を2〜3セット行う。
※③の状態で息を吐きながら、膝を手前に引き寄せてあげると、腰、背中、胸の通気がしっかりと入っていく。
(5)足を大きく前後に開いて、股関節、体幹の動きを出していくエクササイズ
・やり方
①まずは足を大きく前後に開く。前の足は、床に対してスネが垂直になるようにする。
②前の足に肘をぐっと近づけて、かがんでいく。
③数秒たったら、お尻を後ろに引いていく。(その際に前足の膝は少し曲がっていても問題無し)
④②〜③を2〜3回繰り返し、終わったら今度は同じように逆側も2〜3回繰り返していく。
⑤次に後ろ足を踏ん張り足にして、バランスよく起き上がる。
⑥その状態でお腹をぐっと出して、後ろ足側の手を上げて、その手を見上げるようにする。(反対側の手は、下にぐっと伸ばすようにする。)
⑦⑤〜⑥を2〜3回繰り返し、そのまま前足側の方(横側)に体を倒すようにする。終わったら今度は同じように逆側も2〜3回繰り返していく。
⑧次に回転。⑤の状態のまま、両手を前に合わせるようにして、片方の手を横側に回転させるように伸ばす。その際、目線は回転している方の手を見るようにする。
⑨終わったら①の体勢に戻る。その状態で、手を上に向けるようにして、右回転と左回転を2〜3回ずつ行う。その際も同じように手をずっと見るようにする。
※⑨の回転をする際、足が浮かないように、床にピッタリとつけておくことがポイント。
(6)2ツイでやるシリーズ
・やり方
①足からの感覚を大切にするため、中足部に乗せる感覚から始めていく。
②姿勢を正した状態で、前に揺れたり後ろに揺れたり、前後の動きをしていくうちに、加重の感覚がわかってくる。
③②の揺れを小さくしていくと、重心の真ん中にたどり着く。
④重心が真ん中にいったことを確認したら、足の小指側、親指側の方にそれぞれ加重して、真ん中を見つけるようにする。
⑤足のど真ん中の感覚が入ったら、手のひらを天井に向け、首の位置にもってくる。
⑥そのまま天井を触りにいくように、グッと腕を伸ばす。
⑦⑥の状態になると、お腹、背中にしっかりと力が入る。それがわかったら、丁寧に手を下に下ろす。
(7)片足立ちで行うストレッチ
・やり方
①メニュー(6)で行った『足のど真ん中の感覚が入ったら、手のひらを天井に向け、首の位置に手のひらを置く』状態にする。
②片腕を斜め上方向にあげ、もう片方の腕を自分に引き寄せる。
③上げてる側の方に、体重をずらしてあげて、腕をもう一段階上げる。
④腕を上げていない側の足を上げて、片足で立つ。
⑤①〜④までの動きを左右で2〜3回繰り返す。
⑥慣れてきたら片足立ちの状態で、あげている方の足を上げたり下げたりする。バランスが保てていれば、ぶれることなくできるようになる。
※ただ片足立ちになっても、体の軸がぶれるだけなので、良いストレッチはできない。
(8)ゴブレットスクワット
・やり方
①まず椅子に座り、足の荷重が真ん中になっていることを確認する。
②用意した重り(ダンベルなど)を持つ。ダンベルなどであれば、重りの”レバー部分”ではなく、”重りの部分”を持つとやりやすくなる。
③足は外側に向ける。(※立ちやすくなるため)
④腰をグッと前の方に押し出して、鼻くらいの位置に重りを持ってくるようにする。
⑤そのまま前の方にかがんであげると、お腹にしっかりと力が入る。
⑥あとは足の裏の感覚を真ん中にのせておいて、そのまま膝を少し曲げた状態で立ち上がる。
⑦そしてお尻を出しながら椅子にまた座り、①の姿勢に戻す。
⑧①〜⑦までの動作を休憩をはさみながら5回、繰り返し行う。
(9)ゴブレットスクワット(ペア)
※ペアでやるメニューなので、手伝ってくれる人が必要になる。(ペアがいない場合、本メニューは省略)
・やり方
①まず椅子に座り、足の荷重が真ん中になっていることを確認する。
②手はグーにして両手をあわせ、鼻くらいの位置にもってくるようにする。
③足は外側に向ける。(※立ちやすくなるため)
④ペアの人の前腕で上から軽く押さえてもらい、腰を入れて少し手を持ち上げる。
⑤そのまま前の方にかがんであげると、お腹にしっかりと力が入る。
⑥⑤の状態から立ち上がり、ゆっくりと座っていく。
⑦①〜⑥までの動作を休憩をはさみながら5回、繰り返し行う。
(10)ブルガリアンスクワット
・やり方
①まず椅子にふくらはぎをつける。
②そこから3足分前に歩いたところで足を止める。
※背の高さ、足の長さによって歩幅も変わってくるので、スクワットがやりにくいようであれば、微調整するようにする。
③台の上(椅子の座るところ)に片方の足を乗せる。
※足の”爪部分”だけ乗せるようにする。
④もう片方の足は、少し足を曲げるようにする。その際、足裏の荷重は、ゴブリンスクワット同様、真ん中になっていることを確認する。
⑤④までできたら、そのまま真下にしゃがむようにする。
※深くしゃがみすぎると膝を痛めてしまうので、ある程度しゃがむようにする。
※正しくできていると、前足のお尻、ももの後ろにしっかりと力が入る。
⑥①〜⑤までの動作を片足ごとに5回行う。
まとめ
”私が指導の中で意識していることは、姿勢と荷重位置、またそれらを基本として床に力を伝えられているかになります”
前回のインタビュー記事で、そう話していた辻氏の哲学が、このメニューには反映されているようだ。
今回ご紹介した内容は、辻氏が指導する数あるメニューの1つだが、同氏曰くこのウォーミングアップは試合前でも有効なのだという。
この記事が、フェンサーのパフォーマンス向上に一役買えたのならば、これほど嬉しいことはない。
【指導協力】
辻 健一郎氏
【指導している施設】
Y.T.G CORE
【住所】
神奈川県横浜市港北区日吉2丁目6 横浜市港北区日吉2丁目6−20 ビーハイヴ1階
※横浜市・日吉駅(東横線・目黒線・市営地下鉄)より徒歩2分。
【お問い合わせ先】
▼お問い合わせフォーム
https://www.ytgcore2014.com/blank-44
▼電話番号
045-548-5100